鉄道模型レイアウト(Nゲージ)

本帝國鐵道 常越本線

 2006年に製作を開始し、2010年にひとまず完成した鉄道模型レイアウトの紹介。

機芸出版社 2010 レイアウトコンペ 準佳作入賞
2010年 第11回国際鉄道模型コンベンション 出展
機芸出版社 N gauge マガジン No.54 2011年冬号 掲載

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本帝國鐵道

Imperial Japanese Railways

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2010年12月18日更新

 
 
概要 / 写真 / 記録 / 鉄道名の由来
 
 
 
 
◆ 概要 
 
1.はじめに
(1)   設計思想
(2) 設計要求
(3) 設計結果  
(4) 製作履歴
(5) その他
   @ 鉄道名称について
   A レイアウト製作用BGM
 
 
2. 設計思想
製作者が幼い時から青年にかけて体験した鉄道に関わる心象風景を、レイアウトに反映する。主な心象風景を以下に示す。
(1)幼年期:父親の帰省の時に乗車していた上越線の特急「とき」の車窓の風景。
(2)少年期:父親に連れられ、毎週のように登山をしていた時に使用した中央東線沿線や大糸線、上越線の風景。(父親は大学3年時に他界)
(3)青年期:大学、大学院生時代に、JR線を一人旅していた時にローカル線の車窓から眺めていた風景。 
 
 
3. 要求仕様
上記設計思想に基づき、自らのレイアウトに設定した要求仕様は以下の通り。(全て箇条書き)
 
3.1 再現風景
(1) 上越線、信越本線篠ノ井線、中央本線、大糸線等の上信越地方の幹線とローカル線沿線の山岳部を想定できる風景
(2) 春から夏にかけての季節を想定できる風景
(3) 1970年代から1980年代の時代を想定できる風景
(4) レイアウトを貫く川と渓谷を含む風景
(5) 夜景時に、駅や建物、駅の前に停車中の路線バスから照明が漏れ、街路に水銀灯の灯りが照らし出される情景
(6) 架線の下を電車が走行する風景
(7) 神社と鎮守の杜とともに、神社の境内に至る森の中を通る階段がある風景
 
3.2 線路配置
(1) 本線は単線とすること。
(2) 有効長6両分以上のホームを備える交換可能な主要駅を設けること。
(3) 主要駅に側線と機関庫を設けること。
(4) 本線上の高低差を200mm以上とし、その高低差を跨ぐデッキトラス橋を本線上に設けること。
(5) 本線上の最小半径を280mm以上とすること。
(6) 本線上にトンネルを1つ以上設けること。
(7) 最急勾配は、14系客車5両をEF64-1000機関車が登攀可能な勾配とすること。
(8)) 今後製作予定の他レイアウトやヤードへの接続を考慮すること。
(9) 主要駅以外に中間駅を設けること。
 
 
3.3 外形状制約
(1) 建物および造形物も含め、2m×1m×1m以内の範囲に収まること。
(2) 製作途中に想定される引越しにも対応可能とするため、移動可能な形状とすること。
(3) 移動時に縦置きまたは横置きの状態に置いても、移動後に機能を損なわないこと。
 
3.4 使用材料
(1) 20年以上前の子供時代に、小遣いを貯めて購入したTOMIX製のレールを用いること。
(2) 同じく子供時代に、祖母から贈られたTOMIX製の駅舎及びホームを用いること。
(3) 台枠や地形の製作において、DIY店で入手可能な材料を選定し使用すること。
(4) 軽量化を考慮し、適切な素材を選定すること。
 
3.5 制御機器
(1) ポイントは全て電動化すること。
(2) 駅構内に点灯可能な信号機を設置すること。
(3) 線路上の電圧低下を防止するため、経路上に合計3点以上の給電個所を設けること。
(4) TOMIX製の制御機器を用いること。
 
3.6 保守性
(1) 脱線時や列車停滞時に、トンネル内外問わず全ての経路で脱線復旧や車両の点検が容易に可能なこと。
(2) 大人1名の力でも、レイアウトの位置移動が可能なこと。
(3) 縦置きの際に、レイアウト上の構造物(線路、造形、建物、LED照明)が脱離しないこと。
 
 
4. 設計結果
要求仕様を全て満たすように設計を実施した。(全て箇条書き)
 
 
 
4.1 再現風景
上信越地方風景について、インターネットや実地調査をもとに模擬風景の設計と製作を実施した。
(1) 萌黄色を含む多数の種類の樹木を配置し、5月近辺の季節を再現
(2) 木造の建物を配置(TOMYTEC製『鉄道コレクション?』やKATOの木造建物を応用)
(3) 上流域の渓流と岸辺を樹脂(デブコン)およびモーリン製の川石やリアルサンドを用い製作
(4) レイアウトの前後を川が貫くよう、川の配置を設計。レイアウト有効寸法上、川の配置に制約があるため、一部高低差のある渓谷(上越線水上駅-上牧駅間沿線の諏訪峡、中央西線寝目覚の床を想定)として製作
(5) 化学雑巾を水性アクリル絵具(Liquitex)により染色の上、乾燥させたものを草地として応用
(6)  KATO製の室内灯を跨線橋、駅本屋、ホーム屋根に改造の上、適用
(7)  LEDの極小照明を街灯に、コスミックおよびポポンデッタ製のLED照明を建物に適用
(8) 給電に必要な配線の全ては、レイアウト台枠下部へ導出
(9) 銀河モデル製の架線を、薄緑に塗装(上越線を想定)した架線柱に設置
(10) 駅名票をパソコンおよびプリンタにより作成。
(11) 路線バス内に照明を設置
12)神社の周囲に自作の木を植林し、境内に至る階段(100段以上)を製作
 
 
4.2 線路配置
(1) ループ線を2箇所配置し、限られた寸法の中で単線の経路を可能な限り長距離化
(2) カーブポイントを主要駅の前後に設け、限られた寸法の中で6両分の直線区間とホーム有効長を確保
(3) 主要駅に貨物列車の退避や、機関庫およびヤードの列車入替、列車設置用も兼ねた側線を配置(レイアウト最前列に配置) 
(4) デッキトラス橋を架橋が自然となる高低差をループ線による勾配により再現
(5) TOMIX製のトラス橋を改造し、デッキトラスを製作
(6) 線路への勾配設定時に、EF64-1000による勾配牽引確認を行い、最急勾配を設定
(7) 他レイアウトやヤードへの接続を考慮した本線からの分岐を3か所設置(うち2箇所はトンネル内)
(8) 寸法の制約により、行き止まり式の中間駅を設置。主要駅名を「越後嶽間(えちごたけま)」、中間駅を「鹿越(しかごえ)」と命名。(自分と妻の祖父、祖母の出身から命名)
 
 
 
4.3 外形状制約
(1) 主要駅にホームの有効長確保しつつ、他レイアウト等への分岐区間も含めた最低限の寸法長さを確保(長さ1960mm)
(2) 山の上部(山頂近傍)を取り外し可能とし、レイアウト高さを可能な限り低減
(3) 引越し時の車載にも対応できるよう、幅を910mmと設定
(4) 縦置きまたは横置きの状態において脱離の可能性のあるものは、接着剤により固定
(5) 脱離の恐れのある建造物の簡易取付 (移動時においては取り外し)
 
4.4 使用材料
(1) 20年以上前に購入したTOMIX製のレールを一部に適用。レール接続部の劣化が見られたため、該当箇所を半田により固定し導通を確保
(2) 20年以上前の駅舎、跨線路及びホームを着色、ウェザリングの上、照明を内蔵
(3) DIY店で入手可能なベニヤ板、角材、発泡板(建材用断熱剤)を選定し、レイアウトの台枠を製作。接着剤により各々を複合化し、剛性強化の上、軽量化も実現
 
4.5 制御機器
(1) ポイントは全て電動とし、ポイント駆動用の配線は、全てレイアウト台枠下部へ導出
(2) 駅構内に本線用、出発用の腕木式信号機を設置
(3) トンネル内の目立たぬ箇所に給電用の配線をレールに設置
(4) TOMIX製の制御機器を適用
 
4.6 保守性
(1) トンネルを設けた山の側面のパネルは、脱線時や列車停滞時に備え、全て取り外し可能
(2) レイアウトを設置する台として、使われなくなったキャスター付きのベビーベットを用い、水平の移動を簡易化(一人の力で移動可能)
 
 
5. 製作履歴
(1)着手:2006年9月 仮完成:2010年5月16日
(2)総製作費用:非公表
(3)製作場所:    
2006年9月〜2009年1月 茨城県つくば市
20092月〜2010年8月 神奈川県鎌倉市
2010年9月〜20xy年z月 茨城県つくば市 
 
 

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2010年12月

 

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